能登英輔の「のとのーと」

札幌で役者として活動する能登英輔のブログ

 

 

お客様。

先日、とある芝居を観に行ったのです。

有名人が出ている作品でした。

芝居はとても面白かったのですが、今日は芝居の話ではなく「お客様」についてです。

 

僕の後ろに座っていたお客さんがですね、おそらく芝居初めて観にきたのかな。

お友達といらしてたようなんですけど、何といいますかおしゃべりをするのです。

役者が言った言葉を繰り返してしまうというか。

ボケで出た単語を繰り返してしまうんです。

それ以外にもその場面場面での感想を口に出しちゃうんですよね。

夢中になって観ていたんだろうなぁとは思うんです。

でもやっぱりそこは劇場であって、お家ではないわけです。

 

僕も舞台上で様々なお客さんのリアクションを見てまいりました。

上記のようなお客さんは結構いらっしゃいます。

正直言って舞台上ではそんなに影響はありません。

が、やっぱり一緒に観劇されているほかのお客さんにとっては結構なストレスになるんです。

単純な笑い声とかとは違って「言葉」となると意識に入ってくるんですよね。

舞台上で出たもの以外に意識が向くということは、多少なりとも集中力を削がれてしまうわけで。

言ってしまえば上記のお客さんなんてかわいいものでして、話の肝の部分を言ってしまう方とかいらっしゃいますからね。

 

「この人ね、本当は死んでるんだよ」

 

それぜっっっっったい言っちゃダメ!!!

 

あと、昔yhsでとても人気の出た役者がおりまして。

彼が舞台上でクイズを出すんです。

舞台上でのことですよ?別に客いじりとかじゃないんですよ?

でもひとりのお客さんが答えちゃったんですよ。

本当はその後にオチがあったのに、オチにもならないめちゃくちゃなタイミングで。

もうそうなってくるともう「妨害」の域に達してきます。

 

よく言われることですが、観客も同時に成長していかなければ芸術は成長していかないのです。

 

ちょっと話がずれるかもしれませんが、ファンの方というのは僕らにとっては本当にありがたいもので、どれだけ救われてきたかわかりません。

しかしながらお互いにある種のリスペクトを抱いていなければバランスが崩れてしまうと思うんです。

 

これは非常に微妙な部分であり敏感な所でもあるので、「このケースはこう」というような分け方はできません。

そのファンの方の性質、演者側の性質、様々な背景。

様々な要素が複雑に絡み合うのです。

 

ファンになった時の気持ち、ファンになってもらった時の気持ち、お互いにそのあたりを忘れないようにしていかなければいけないのではないかと思います。

 

こんな僕にも応援してくださる方がたくさんいらっしゃいます。

ファンだったはずが突然アンチになってしまったりとか結構聞く話ですので、そうならないよう肝に銘じて生きていこうと思います!!