能登英輔の「のとのーと」

札幌で役者として活動する能登英輔のブログ

 

 

無駄。

僕は幼い頃から漫画が大好きで、少ない小遣いの中から単行本を購入しては集めておりました。

今でも漫画好きですけど、昔ほど発売日を気にしてまで買ったりはしなくなりましたね。

ワンピースとか途中で買うの止まっちゃってるし・・・

あ、でも三月のライオンとかキングダムは発売日気になっちゃう(笑)

三月のライオン

キングダム

中学生くらいの時は買った単行本が並んでいくのが何だかとても嬉しかったなぁ。

 

僕の父というのが何ていうのかなぁ。

頑固おやじというわけではないんですけど割と厳しめの、筋が通ってなきゃ許さないというような昔ながらの男でして。

いや、でも考え方は結構柔軟で新しい考えを取り入れたりもするんですけど。

周りからは親しみと尊敬を込めた「変わり者」と言われてるのをよく聞きます。

僕も大変尊敬しております。

今は孫にメロメロのいいおじいちゃんですが(笑)

 

その父が僕が中学生の時に言ったんですよ。

「読んだ漫画を並べてどうするんだ。無駄だろ。読み終わったら捨てろ。」と。

違う言い方だったかもしれないけど、こんな感じの。

中学生の僕にとっては衝撃的でした。結構なショックを受けたものです。

頑として捨てませんでしたけど(笑)

 

漫画から学ぶことってたくさんあると思うんですよ。

いいことも悪いこともでしょうけど。

読み返してみたら新しい発見があったりとかもするし。

数年経ってから読むとまた違うものを得られたりもする。

父は読書が大好きですが、大体一度読んだ本は捨てている。

内容もほとんど覚えているから問題ないんだろう。

そんな父からすれば何度も同じ本を読むことに何の意味があるのかわからなかったんだと思う。

それゆえの「無駄」と。

 

そもそも「無駄」かどうかを決めるのは己自身だと思うんですよ。

誰かにとって無駄であっても自分にとって有益であることなんて多々あるわけで。

芝居の話になりますけれど、僕が若い頃に客演で呼んでいただいた作品がありまして。

あ、客演というのは自分の劇団じゃないところに呼ばれて出たりすることなんですが。

客演で出ておいて申し訳ありませんけど、ひどくつまらなかったんです。

周りからはその公演に出たことを「無駄」とされましたが、僕はそんなこと思わなかった。

とてもひどい言い方ですけど、このつまらない作品はどうやったら面白くなるんだろうととても考えましたし、自分以外の人は面白いと思ってやっているんだろうか、そうじゃないなら何を思ってやっているのか。

とか考えることとか見ることめちゃくちゃあったし、めちゃくちゃ勉強させてもらった。

結果つまらなかったんだからお客さんには大変申し訳ないことではあるんですけどね。

でも僕自身が初めからこの作品はつまらないな、とあきらめてたらそれこそまさに無駄な時間で終わってしまったんだろうけど、何か価値を探そうとしたからこそ勉強できた!って言えるんだと思う。

 

自分から価値を捨てないこと。

無駄と決めつけないこと。

そういったことが大事なんじゃないかと思う。

 

と、突然真面目ぶって言ってみた。

おかしい。ちょっと休もう。